<NRW州がe-モビリティーモデル地域の指定をうける>
ドイツは2020年までに100万台に及ぶ電気およびハイブリッド自動車の普及を目指している。この目標達成のために国が総額5億ユーロ拠出することを決定した。
連邦政府は全国に8地域のe-モビリティーモデル地域を指定。その一つがNRW州内のラインルール地域である。連邦政府からの助成に加えて、NRW州政府は独自に6000万ユーロを投資し、e
-モビリティー分野の研究開発を推進する。
NRW州内に880万台の乗用自動車が登録されており、これは連邦の21,3%にあたる。ルールライン地域では1キロ平方の中に3200台の乗用車と高い登録件数。NRWでは8700万人の就業者の75%が日常自動車を使っている。そして10%が50キロ以上での通勤に使っている。道路網は13万9000キロが自動車道路、うち2200キロがアウトバーンとして使用、まさにe-モビリティーモデル地域選定の優位性を有している。
今後、州内都市にある多数の駐車ビルや駐車場に加え、約3300のガスリンスタンドを利用して、充電ステーションのネットワークの構築を計画している。
出典:NRW INVEST GmbH
また、ライン・ルールモデル地域とアーヘンおよびミュンスターのコンピテンス(中核)センターには、約100に及ぶ協力機関(民間企業や研究機関)がe-モビリティー推進のために集まり、バッテリー技術、車両技術、発電、送電、配電技術分野で活動している。
<技術・製造立国、日本が学ぶべきはシステム構築>
日本は電気自動車分野では技術・製造先進国である。ガソリンと電気の複合のハイブリッドでは一歩も二歩も先を行っている。したがって、既存の部品の組み合わせが可能な電気自動車は生産の拡大が大いに見込まれ、技術力のある日本企業にとって有望市場である。
NRW州の電気自動車開発の取組み
ただし、日本は「先進ものづくり」の優位性に浸っている余裕はない。グローバル市場ではルールや「システム作り」が重要である。技術と市場をつなぐ戦略は欧州が優れている。NRW州では、再生可能エネルギー発電、送配電、オペレーション、マネージメント、人材育成、関連サービスを含めた電気自動車のトータル「システムづくり」の試みが始まった。
NRW州の取組みは、日本企業にとって大いに関心をもって然るべきである。すでに州政府はドイツの関連企業に対して、数回セミナー説明会を開催している。2月19日に当商工会所は日本企業を対象に、州関係担当者による「e-モビリティーモデル地域の動き」セミナーを州と共催で開催する。5月19日には日本デー「日独経済シンポジウム」にてエネルギー、e-モビリティーを中心テーマとして、日独専門家・企業人を招き、シンポジウムを開催する。大勢の日本企業・関係者の参加を期待している。
最後に一言、愛車の電気モーター「移植延命」は想定外である。
(文責 柚岡 一明)