日本でも夜の長いこの時期に、ダンススタジオやダンス教室主催のダンスパーティーが各地のホテル等で数多く開かれています。そのような日本のパーティーと当地Boston Clubのパーティーとを比較しますと、ドイツでは日本に比べて少しカジュアルな感覚でパーティーを楽しむ傾向があるように感じます。日本のパーティーのように豪華な衣装を着る必要はなく、パーティーに相応しい格好であれば衣装で気後れすることはありません。もちろん、「少しカジュアル」といってもパーティーに慣れた人が多いドイツ人のことですから、パーティー全体の雰囲気作りはとても洗練されたもので、優雅なパーティーの雰囲気を存分に味わうことができます。
社交ダンスに接する機会は、日本と比べてドイツのほうがはるかに多く、ちょっとしたパーティーなどでも会場にダンスのステージが設けられ、食事を楽しんだ後はダンスタイムが組まれています。特にクリスマスパーティー、結婚パーティー、そして50歳、60歳という区切りの誕生日といった盛大なパーティーでは、夜中までダンスタイムがあります。若い人たちの間でも、例えばギムナジウム卒業式後の盛大なパーティーで社交ダンスが踊られるケースが多いようです。卒業する男女でウィンナワルツなどを踊るだけではなく、親とも一緒に踊り大人への仲間入りを果たすと聞きます。
ドイツでは他のスポーツと同様に、社交ダンスについても団体活動を推奨し、支援する社会的な仕組みが充実しています。先のBoston ClubやFlingern地区にあるダンス・スポーツ・クラブRot-Weissなどはeingetragener
Verein(社団法人=非営利の民間法人)としてダンスを踊りたいメンバーにより構成される団体です。この団体の会員になるとダンス専用の素晴らしい会場でダンスを踊り学ぶことができます。ここではプロといっても差し支えないレベルの若いダンサーから、生涯を通してダンスと付き合い続けている世代までもがダンスを楽しんでいます。
デュッセルドルフでダンスを習われる日本人の皆さんには、ダンスを学ぶにあたってDeutscher Tanzsportverband(ドイツダンス協会)のメダルテスト合格を目標とされることをお薦めしています。これは優劣を競う競技ダンスとは全く別のもので、社交ダンスを楽しむうえで、進歩の目安となるシステムとしてダンス普及のために設けられているものです。3種目のダンスを踊るブロンズメダルから始め、2年目は4種目のシルバーメダル、3年目は5種目のゴールドメダルを目標にすることができます。ドイツに長く住まれている方だけでなく、3年程度で日本に戻られる方もその間にメダルテストに挑戦され、ダンスの楽しさを知り帰国後も長くダンスと付き合われているかたも多くおられます。
日本では、映画『Shall we ダンス?(1996年)』のヒットや、芸能人が社交ダンスに挑戦するテレビ番組などの影響もあり、これまでの中高年世代に加えより若い世代でもダンスに注目する人口が増えているようですが、ドイツではより身近にダンスに接する機会が数多くあります。パーティーの席で、「自信がないから」または「踊った事が無いから」という理由で何もしないでいますと女性は壁の花で終わってしまいます。ダンスをご披露出来るまでとはいかなくとも、「Shall
we ダンス?」の質問にいつでも好きな答えができるように、そして男性は気負うことなく気楽に女性に声をかける事が出来るようになるとドイツの生活がより素敵でカラフルなものになると思います。